東京高等裁判所 昭和26年(う)4023号 判決
被告人 ○沢○雄
本件控訴の趣意は、別紙添付の検事松村禎彦名義の控訴趣意書と題する書面に記載されたとおりである。
被告人は昭和六年七月十六日生であることは本件記録に徴し洵に明らかであるから、本件犯行当時即ち昭和二十六年二月二十一日及び同年三月二十八日当時並びに原審における弁論終結の日即ち昭和二十六年七月七日においては、被告人は二十歳に満たなかつたことは明らかであり、従つて少年法第二条にいわゆる少年であつたというべきである。しかし少年法第五十二条の適用を受ける少年であるか否かは、その者に対する判決言渡の時の年齢を標準として定めるべきものであるから、原審における本件判決言渡の日即ち同年七月二十三日には、既に被告人は満二十歳を過ぎていたことは明らかである。従つて被告人は少年法第二条にいわゆる少年ではないから同法第五十二条を適用すべき限りでない。しかるに原判決は被告人に対し同法条を適用して不定期刑を宣告したのは、法律の適用を誤つたものというべく、その誤りは判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、論旨は理由がある。